war.gov UFO機密ファイル「第2弾」64文書を全公開——軍UAP映像51本・サンディア基地・CIA文書の全貌
2026年5月22日、米政府のUAP機密解除プログラムPURSUEがRelease 02として64件の文書を war.gov/UFO に追加した。内訳は軍UAP映像51本・NASA音声記録7点・PDF文書6点。51本の映像は3月6日の下院議員による51記録要求に応えて機密ネットワークから掘り起こされたもので「証拠保管の連鎖を欠く」と注記される。サンディア基地の「緑の球体」209件(1948-1950)、CIA・ODNI・エネルギー省という新顔機関の文書、マーキュリー計画の交信音声まで——PURSUE//JPが全64件を日本語翻訳・動画埋め込みで収録し、第2弾の全貌を多角的に解説する。
日本語翻訳
はじめに——「第2弾」が静かに、しかし大量に公開された
2026年5月8日、米政府はUAP機密解除プログラム「PURSUE(Presidential Unsealing and Reporting System for UAP Encounters)」のRelease 01として119件の文書を公開した。それから2週間——2026年5月22日、Release 02として新たに64件の文書が war.gov/UFO に追加された。
第1弾が「歴史的なUFO情報公開」として世界の注目を集めたのに対し、第2弾は派手な記者会見を伴わず、ポータルへの静かな追加という形で行われた。だが中身は地味どころではない。64件のうち51件が軍の未確認異常現象(UAP)映像であり、これはRelease 01の映像点数を大きく上回る。
PURSUE//JPは、この64件すべてを日本語に翻訳し、動画も含めて文書アーカイブに収録した。本記事では、第2弾の全体像と注目すべき中身を多角的に解説する。

第1章:Release 02の全体像
第2弾の64件は、形式別に次のように分かれる。
| 形式 | 点数 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 動画(.VID) | 51 | 国防総省の赤外線・FLIR によるUAP遭遇映像 |
| 音声(.AUD) | 7 | NASA マーキュリー・アポロ計画の交信記録 |
| 文書(.PDF) | 6 | サンディア基地ファイル、CIA・ODNI・エネルギー省文書 |
注目すべきは、Release 01には登場しなかった機関の文書が含まれている点だ。CIA(中央情報局)、ODNI(国家情報長官室)、DOE(エネルギー省)——情報コミュニティの中核機関が、初めてPURSUEの公開対象に加わった。
第2章:51本の軍UAP映像——その出どころ
第2弾の主役は、DOW-UAP-PR050〜PR099 の51本の映像だ。球体型UAP、水中に出入りする「USO(未確認潜水物体)」、編隊飛行、ティックタック型——CENTCOM(中東)、東シナ海、ペルシャ湾、アフガニスタン上空などで、米軍機の赤外線センサーが捉えた物体が並ぶ。
各映像に付された公式説明には、見過ごせない経緯が記されている。
「2026年3月6日、米国下院議員8名が、国防総省と情報コミュニティが保有するとされる51件のUAP関連記録へのアクセスを要求した。AARO(全領域異常解決局)は、機密ネットワーク上に保管された該当資料群を特定した。これらの資料の多くは、確立された証拠保管の連鎖(chain-of-custody)を欠いている。」
つまりこの51本は、自発的な開示ではなく議会の要求に応じて掘り起こされたもので、しかも「どこから来て誰が管理してきたか」が明確でないものが多い、という異例の注記が付いている。映像の各説明文もまた「この記述は分析的判断・調査結論・事実認定を反映するものではない」と繰り返し慎重に距離を置いている。
映像の中には、USAF州空軍のF-16Cが水上のUAPを撃墜したとされる事案(DOW-UAP-PR071)や、沿岸警備隊機が捉えた「ティックタック型」赤外線映像(PR065・PR066)など、単体でも大きな話題になりうるものが含まれている。
第3章:サンディア基地ファイル——「緑の球体」209件
文書(PDF)6件のうち最大の歴史的価値を持つのが、DOW-UAP-D017「サンディア基地のUAP報告 1948-1950」だ。116ページにおよぶこのファイルは、第二次大戦後にマンハッタン計画を引き継いだAFSWP(軍特殊兵器計画)と米空軍の記録で構成される。
ニューメキシコ州サンディアの軍事基地周辺で、1948年から1950年にかけて報告された「緑の球体」「円盤」「火球」の目撃は計209件。目撃者たちは、機動・飛び去り・消失・爆発する未確認物体を報告した。文書には、目撃地点で見つかった残留銅粉を調べた当時の調査結果も含まれる。
そして重要なのは、これらの調査の一部が「プロジェクト・グラッジ」——米軍の初期UFO調査体制の出発点になったと記されている点だ。現代のUAP問題のルーツが、核兵器開発の最前線にあったことを示す一次資料である。
関連文書:DOW-UAP-D017 サンディア基地のUAP報告 1948-1950
第4章:情報機関の「新顔」——CIA・ODNI・エネルギー省
Release 02で初めて、UFO伝承で常に名前の挙がる機関の文書が公式公開された。
CIA-UAP-D001「情報報告書、ソ連、1973年」 —— 中央情報局による1973年のソ連UAP関連情報報告。冷戦下、対立する超大国の双方で未確認現象が記録されていたことを示す。
ODNI-UAP-D001「USPER供述、上級USIC当局者」 —— 2025年、米国西部に関する情報コミュニティ上級当局者の供述記録。「USPER」は米国人(US Person)を指す匿名化表記で、現役に近い時期の証言が公式アーカイブに入った意味は大きい。
DOE(エネルギー省)の3文書 —— パンテックス(核兵器組立施設)の画像、物理学者ジェームズ・タックの1970年代の書簡、1986年のパハリート天文同好会への招待状。核施設とUAP目撃の地理的な重なりという、研究者が長年指摘してきたテーマに公式文書が触れている。
第5章:NASA音声記録——宇宙の「沈黙」を遡る
Release 01ではジェミニ7号などのトランスクリプトが公開されたが、Release 02は音声記録7点で宇宙開拓史をさらに遡る。
- アポロ12号 医療デブリーフィング(1969年) —— 月着陸ミッションのクルーの医療報告音声
- アポロ17号 音声抜粋(1972年)
- マーキュリー・アトラス7号・8号・9号(1962-63年)、マーキュリー・レッドストーン4号(1961年)
注目は、人類初期の有人宇宙飛行(マーキュリー計画、1961-63年)にまで記録が遡った点だ。宇宙開発の最初期から、飛行士の交信に「異常」が含まれていた可能性を、政府が音声という生の形で公開し始めている。
関連文書:NASA-UAP-D008 アポロ12号 医療デブリーフィング
第6章:Release 01との違い——「公開」から「掘り起こし」へ
第1弾と第2弾には、性格の違いがある。
Release 01は、トランプ大統領令に基づき各機関が「探し出して公開する」という能動的な開示だった。FBI・国防総省・NASA・国務省の歴史的記録が中心で、物語性のある事件ファイルが多かった。
Release 02は、議会の要求(3月6日の下院議員8名による51記録要求)に応える形で、機密ネットワークから掘り起こされた映像が主体だ。「証拠保管の連鎖を欠く」という注記は、これらが整理された公式ファイルではなく、各所に散在していた生データであることを物語る。
言い換えれば、第2弾は「行政府が見せたいもの」ではなく「立法府が出させたもの」という色彩が濃い。情報公開の主導権をめぐる、議会と行政のせめぎ合いが背景に透けて見える。
第7章:編集部の評価
率直に評価すれば、Release 02の64件に「決定的証拠」と呼べる単独の文書はない。映像はいずれも赤外線の輝点であり、説明文自身が「分析的判断を示さない」と慎重に留保している。
しかし、第2弾の意義は別のところにある。
- 量:51本の軍映像は、UAP遭遇が散発的事件ではなく、軍の作戦空域で恒常的に記録され続けている現象であることを、件数で示した
- 機関の広がり:CIA・ODNI・DOEの参入は、UAP問題が一部署の話ではなく情報コミュニティ横断のテーマであることを公式に裏づけた
- 時間の奥行き:1948年のサンディアから2025年のODNI供述まで、約77年の連続線が一つのアーカイブに収まった
- 議会の圧力:「51記録要求」への応答という経緯は、今後も議会主導で開示が続く可能性を示す
PURSUEは30日周期での追加公開を掲げている。第3弾、第4弾と続くこのプロセスにおいて、Release 02は「派手さはないが、土台を広げた回」として記憶されるだろう。
第8章:Release 02 全64文書リンク集
ここまで解説したRelease 02の全64文書へのリンクを以下にまとめる。各ページで日本語訳・動画/音声の埋め込み・編集部考察が読める。
◆ 機密文書(PDF・全6件)
サンディア基地ファイル、CIA・ODNI・エネルギー省の文書。本文も日本語に全訳している。
◆ NASA 音声記録(全7件)
マーキュリー計画(1961-63年)からアポロ計画までの宇宙飛行士交信音声。各ページで音声を直接再生できる。
◆ 軍UAP映像(全51件・DOW-UAP-PR050〜PR099)
国防総省の赤外線・FLIRセンサーが捉えたUAP遭遇映像。3月6日の下院議員による51記録要求に応えて公開されたもの。各ページで動画をそのまま再生できる。
結論:64の点を、線で読む
UAP研究の難しさは、個々の事案が「説明不能な輝点」のまま終わることにある。だが、war.govに積み上がっていく文書を時系列と機関で串刺しに読むと、点は少しずつ線になる。
サンディアの緑の球体(1948)、CIAのソ連報告(1973)、マーキュリーの交信音声(1962)、そして2020年代の球体UAP映像51本——PURSUE//JPはこの64件すべてを日本語で読めるようにした。判断は読者に委ねる。だが、判断の材料はまた一つ、大きく増えた。
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